国が投資を後押しして有利な制度を設けている
少子高齢化に伴い年金では足りない高齢者が今後はますます増える見込みです。
自分で積み立てたお金を自分で受け取るなら少子高齢化も関係ないはずですが、日本の年金制度は「賦課方式」なので現役世代が増えて、受け取る高齢者が増えるので多く支給することは制度上できないのです。
だから世代間格差が生まれているわけで、若い世代の人には納得がいかないでしょう。
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とはいえ、制度に腹を立てても「自分の将来」が明るくなるわけではないので、投資を使ってしっかり「自分年金」をつくりましょう。
国も将来への長期投資の後押ししています。
「イデコ」やNISAや「つみたてNISA」です。
今後さらに拡充される可能性が高いですが。現行でも有利な面が多いのでフルに活用しましょう。
まずはイデコをフルに活用しよう
税制面で一番メリットが大きいのはイデコです。
1 掛け金が収入から除かれる。
所得から除外することを「控除」といいます。
誰でもが受けられる「基礎控除」が38万円あります。会社員の場合は給与所得控除があります。これらは自動的に所得から引かれて税額が計算されています。
イデコの掛け金もこれらと同じように、給与所得から引くことができます。
(1)掛け金は会社員は月額2.3万円、自営業は6.8万円
掛け金は月に5千円から始められて千円刻みです。
上限は企業年金がない会社員は2.3万円、年間27.6万円
専業主婦、主夫も同額
公務員が月額1.2万円年額14.4万円
自営業者は月額6.8万円、年額81.6万円です。
年金が少ない自営業者の上限が高く設定されています。
企業年金に加入されている会社員の場合はタイプにより2万円と1.2万円がありますので会社に確認するのが確実と思います。
まずはこの枠を埋めることを目標にしましょう。
特に自営業者は「節税効果」「将来の自分年金」ともに大きいです。
月額6.8万はたやすくはないですが、何とかフル活用してください。
(2)掛けるのは現在60歳までだが65歳までになる予定
現在は60歳までが掛ける年齢のリミットです。しかし政府は65歳、70歳まで働くことを奨励しており、イデコを掛ける期間も65歳になるのはほぼ確実です。
これは有利な変更です。
(3)受け取り方はいくつかパターンがある
現在は60歳からを過ぎると受け取れます。
A 「退職金」として受け取れます。70歳までです。
退職金の税額計算
控除額は 40万円Xかけた年数になります。65歳までに改正されるとこの部分の期間が伸びます。
会社の退職金と時期をずらす必要があります。
B 年金として受け取る。5年以上20年以下の年金として。
公的年金の扱いになります。現在65歳未満では年間70万円の公的年金控除、65歳以上では120万円の年金控除があります。これ以内なら税金はかかりません。ただし
他の年金との合計になりますので注意が必要です。
C 一時金と年金のミックス
自由に組み合わせができます。
♣まだ制度が変更される可能性があるので(期間の延長とか)受け取りの時期が来てから検討すればいいです。60歳以降も運用は続いているので特に現金が必要でなければ基本的には置いておいて構いません。
現行だと70歳で「無税の範囲」で「退職金」として受け取りその残りを「年金」で受け取るのが現実的に思えます。
受け取ったお金はそのまま再投資するのが有利です。
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投資対象は全世界の株式が基本
証券会社によって投資できる商品に違いがあります。手数料の安いものばかりなので本数が少ないのです。
ネット証券で一番選択肢が多いのはSBI証券です。多くの選択肢が欲しい人はSBIが有利です。
<SBI証券のイデコ商品群>
SBI証券 | 対象 | 年間経費 | 割合 |
SBI全世界 | 全世界 | 0.15 | 100% |
スリム全世界除く日本 | 全世界除日本 | 0.153 | 90% |
スリムTOPIX | 日本 | 0.167 | 10% |
ニッセイ日経平均 | 日本 | 0.172 | 10% |
スリム先進国 | 日本以外先進国 | 0.117 | 80% |
スリム米S&P | 米S&P | 0.0968 | 任意 |
スリム新興国 | 新興国 | 0.204 | 10% |
三井住友外国リート | 外国リート | 0.297 | 20%までまで |
◇SBIでのイデコ商品の選び方。
1 国際分散に注目して投資するには
(1)SBI全世界一本で全世界に投資する。
手数料も安いし手間もかかりません。忙しい人にオススメです。
(2)スリム全世界(日本除く)90%+日本10%
上記に比べて2本になる分複雑になります。スリムは人気商品。
2 リターンと分散の両方に注目すると
ここ5年くらいは新興国はパフォーマンスが悪かったです。米国がダントツでした。今後もしばらくはこの傾向が続くと思えば、そして今後状況が変わった時に適切に対応できるなら、新興国を除いたⅰ先進国+日本ⅱ米国
という選択肢もあります。
(1)スリム先進国90%+日本10%、日本は日経平均でOKと思います。
(2)スリム米国S&P
♣イデコで投資を完結させるのか、それともつみたてNISAや自由投資もするのかで変わってきます。
他があるならそちらで米国特化はできるのでイデコ部分はより丸い全世界とか先進国でいいと思います。
3 国際リートを入れるのもOK
世界リートは世界株式より少し上回るリターンを示してきました。
また動きも株式とは少し違います。
「分散」の観点から20%くらいまでを目安に入れておくのは有力です。
不動産投資になります。
<楽天証券でのイデコ商品>
楽天証券 | 対象 | 年間経費 | 割合 |
楽天全世界 | 全世界 | 0.222 | 100% |
たわら先進国 | 先進国 | 0.11 | 90% |
たわら日経平均 | 日本 | 0.187 | 10% |
三井住友外国リート | 世界リート | 0.297 | 20%まで |
こちらも対応は上記SBIと同じです。
米国だけの商品がないですがイデコではあまり問題ないでしょう。
ただし自営の方は月に6.8万も枠がありイデコ以外では投資をしない場合で米国株を買いたい場合はSBIだけが選択肢になります。
<掛けた年数と金額のシュミレーション>
国際株式やリートで年5%のリターンがあるときのリターンは(実質)
年28万 | 70歳 | 年80万 | 70歳 | |
年数 | 0.05 | 0.05 | ||
10 | 352 | 528 | 1006 | 1509 |
15 | 604 | 906 | 1726 | 2589 |
20 | 926 | 1389 | 2644 | 3966 |
25 | 1336 | 2004 | 3818 | 5727 |
30 | 1860 | 2790 | 5316 | 7974 |
35 | 2529 | 3794 | 7226 | 10839 |
40 | 3383 | 5075 | 9664 | 14496 |
左が掛けた年数です。現在は60歳まで、そのうち65歳になる予定です。
60歳時の受取金額です。
その後も運用は継続しています。
70歳の時の金額が後ろにあります。
現在では60から70までの間に一時金で受け取るか、最長20年の年金で受け取るかあるいはそのミックスが選べます。
現在30歳の会社員の方は60歳時で1860万70歳で2790万になっています。
これをどうするかは他の投資の進捗状況、退職金の額、その他に影響を受けますので臨機応変に最適な方法を選べます。
特に有利な方法が見つからなければ放置しておけば勝手に増えていきます。
特に気をつけることは「やめないこと」
この制度の最大の利点は実は「税優遇」ではありません。
「60歳まで絶対に引き出せないこと」です。
マゼランファンドの伝説のトレーダーのピーター・リンチは最強の株式投資を
「投資したら刑務所に入ること」と言いましたが(株で勝つという本)
刑務所に入らなくてもイデコは同じ役目をします。
違うのはお金を入れ続ける必要があることです。
いくら株価が暴落してもあるいは、最高値を更新しても「絶対にやめてはいけません」
20年以上の長期投資なら必ず成果が出ます。
イデコを利用した投資はシンプルで簡単ですが継続するのは難しいです。
特に自営業者の方は金額が大きいので大変です。
しかし現在30歳の人は60まで頑張れば70歳から8千万の年金が受け取れます。
制度を利用しないでここまで増やすことは「鉄の意志」がないとできないでしょう。
まず証券会社に口座を開いてイデコを始める手続きをしてください。かなりの日数がかかります。長くて1ヶ月位。
将来が安定すれば「心配がなくなり」その分仕事に打ち込めます。無駄遣いもへり稼ぐ意欲も増します。自営の方はサービスが良くなりお客さんも増えると思いますね。
以上です。頑張って将来の「自分年金」をそれこそ自分でつくってください。
応援しています。
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