こんにちは。
前回までのおさらいです。
1 退職金をもらったら振り込まれた銀行から他にすぐ移すこと。
2 退職金は1年ほどは寝かせておいてじっくり運用すればいいこと。
今回はその理由です。
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退職金を仮に3千万もらったとしてそれを銀行や証券会社で投資するとどのくらいのリスクを負っているかを計算します。
投資の期待リターンとリスク(標準偏差)
銀行や証券会社で多額の退職金をおまかせで運用してはいけない理由はリターンとリスクがはっきりとわからないからです。自分の想像以上のリスクを負わされていることに気づかないのです。
もし順調に上昇すればどの投資も利益を生むのでリスクは気になりません。あったことさえ気づかないのです。
しかし下落相場ではリスクが牙をむきます。
でもそれはあらかじめ計算できるのです。
「運が悪かった」とか「たまたまタイミングが悪かった」で済ましてはいけません。
万能ではないがリスクの計算式がある。
リーマンショックのように100年に一度も起こらないようなことが起こるのが株式市場です。だから「計算しても無駄だ」というのはちょっと待ったです。
一応数学で求められるものは簡単なものだけでも理解しておきましょう。
♠専門的な説明ではありません。詳しくは調べてください。
ある事柄が起こるとして一番標準的なばらつきが正規分布です。下の図です。
株式市場がこのような分布をするとは限りません。便宜上の図です。
平均からどれだけ偏るかを表すのが標準偏差でシグマσで表します。
投資ではこの標準偏差をリスクとかボラティリティとか呼びます。
上下動が激しいほど標準偏差は大きくなります。
♡私は「ファンドの海」というブログサイトにある計算式を利用しています。便利です
長期投資予想/アセットアロケーション分析 ~ 投資信託のガイド|ファンドの海
最新の2019年版のデータはJPM銀行が出しています。ただしドルベースです。
https://www.jpmorganasset.co.jp/jpec/ja/promotion/ltcma2019/index.html
<各資産のリスク(標準偏差)> ファンドの海より
国内債券 5.4% 先進国債券13.25% 国内株式 22.15% 先進国株式 19.59%
新興国株式 26.25% 世界株式 20.2%
◆使いかた
95%くらいをカバーするとすると σ標準偏差X2の範囲に収まります。
日本株式だと上にも下にも44.3%動くと見ればいいです。意外に大きいですね。
退職金を銀行で投資する時の最大リスクは何と◯◯◯万円!
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ここでは仮に3千万を運用した時の1年間のリスクを見てみます。2σで計算します
保守的配分にしています。日本海外、株式債券それぞれの4分割です。
資産クラス | 投資額 | リスク | 年間最大損失額 |
国内債券 | 7500000 | 5.4 | 810000 |
国内株式 | 7500000 | 18 | 2700000 |
先進国債券 | 7500000 | 9.5 | 1425000 |
先進国株式 | 7500000 | 19.25 | 2887500 |
新興国株式 | 0 | 23 | 0 |
世界株式 | 0 | 19 | 0 |
合計 | 30000000 | 7822500 |
新興国通貨建てとかのこれより高いリスクの投信もあります。何と最大で782万円を損する可能性があります。
また個別株はさらにリスクが高いと考えられます。
これは最低ラインと見なくてはいけません。
いつも起こるわけではありません。あくまで計算上です。
しかしこの計算を銀行や証券会社でしてくれるわけではありません。
お客さんがビビってやめてしまうからです。
ここまでの結論
◯人任せだと想像以上のリスクをとっている。
◯順調な相場ではリスクに気づかない。
受け入れられるリスクの額は自分で決めるしかない。
個人により違いますから自分で設定するしかありません。
とはいえたいていの人には8百万近いリスクは「大きすぎる」と感じることでしょう。
「おれは百万までだな」と思えばこの投資規模は8倍ほど大きすぎたのです。
大きすぎるリスクを取りすぎる理由。
投資する時は「上しか見ない」です。だから大きくなってしまうのです。
しかし上下どちらにも起こりえます。まず「最悪の事態」を想定するのが「失敗しない投資」の原則と感じます。
♠2σでも95.5%ですから残りの4.5%は漏れます。99.7%をカバーする石橋たたく派は3シグマを取ることになります。でもふつうに採用されている2シグマで十分と思います。なぜなら考えもしない人が大多数だからです。
♡実際は3千万もの退職金をもらえる人は公務員とか大企業のほんの一部です。自分は全くありませんでした。だからここでの例はあくまで仮の話です。
今回の話はリタイア時に多額の現預金があっても投資できる額は多くないことを示すためです。
コツコツ投資してきた人はしっかり投資しても問題ない。
積立でコツコツ長期投資してリタイアを迎えた人には別の計算式があります。
これは次回の記事で。
この記事のユーチューブ動画は↓です。
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