バランス型投信が人気で資産を増やしているそうです。理由は
●簡単で手間がかからない。
●一つで投資が済む。
●下落に強い。
●長期投資に適している
などだそうです。実は自分はこのバランス型投信には問題があるので避けた方がいいと思っています。その理由は
中身がわかっていない。という点です。
債券が半分ほど入っていますが債券については株式以上に知らない人がほとんどです。債券が悪いとは言いませんが、少なくとも中身をよく吟味して買うべきです。
- バランス型投信が人気で資産を増やしているそうです。理由は
- リーマンショックはサブプライムローンが発端となって起こった。
- 中身が多くて複雑なのでチェックが難しいのが弱点
- 債券は混ぜてはいけない。
- 日本人には海外債券投資は不要だと思う件
- 不況ではキャリートレードのまき直しが起こる
- 日本円から分散したければドルMMFを使えばいい。
- それでも債券投資を希望すれば単品の方が動きやすい。
- 債券投資に賛成しない理由その2 機関投資家との競争が激しい。
- 下落に強いの定義がはっきりしない。
- 株式でも下落の可能性はあるじゃあないの?という反論もあるが
リーマンショックはサブプライムローンが発端となって起こった。
リーマンブラザーズはサブプライムローン債券をレバレッジでたくさん抱え過ぎて倒産しました。そして100年に一度のリーマンショックが起こったのです。
そして問題の債券が他の債券に紛れ込んでそれを金融機関が購入してだれもチェックできなかったのです。プロでさえも。
ましてわれわれは中身のチェックを十分確かめるべきです。
中身が多くて複雑なのでチェックが難しいのが弱点
バランス型投信を購入している人で自分の買っている投信の中身を説明できる人はほとんどいないでしょう。つまり「中身を知らずに」買っているのです。
窓口ではこういわれます。「値動きの激しい株だけじゃあなくて債券が半分あるので不況の時も大丈夫ですよ。大幅に下がることはありません。分散しているんです」
確かにそれは嘘ではありません。債券の一種である、一番固い日本国債を半分入れて置けば下落は半分で済みます。そういうことなのです。
投資の神様と言われるウオーレンバフェットはこう言っています。
「自分が理解できないものを買ってはならない」自分はこれを信じています。
債券は混ぜてはいけない。
前回までに述べた株式の場合はインデックスを買うことにより安全性が増しました。しかし債券の場合は例えば日本国債とか米国債といった独立した債券の方が安全性が高いのです。米国債とギリシャ国債を混ぜてあるとどのくらいの信用度かわかりません。
まさにサブプライム問題です。
日本人には海外債券投資は不要だと思う件
株式は会社に投資するので海外の優良な会社に投資することは大きな意味があります。
しかし、債券の場合は海外の国や会社の債券を買うことにどれだけの意味があるのでしょうか。「金利が高い」というのが主な投資理由でしょうがそれはその国の通貨とインフレ率とセットになっています。
金利の高い国はおおむねインフレ率が高く、通貨が下落しやすい点に注意が必要です。
インフレ率と金利が相殺しているのです。いいとこどりは出来ないようになっています。米国は現在MMFでも1.8%ほどの金利があります。日本はほぼゼロです「米国はいいなあ金利が高くて」と思いますがその分通貨の下落リスクが大きいのです。
米国の人はインフレリスク、貨幣価値の下落リスクを補うために債券投資は意味があります。
しかし日本人の場合日本円の下落リスクは高くありません。だから日本の債券の利率は低いです。高い利率を求めて海外債券、特に新興国債券を買っていれば、不況になった時に地獄を見ます。人気だったブラジルレアルのチャートは下です。ファイナンシャルスターHPより
リーマンの前はブラジルの金利は15%ほどもありましたがこれだけ下落すればもともこもありません。多くの人が損をしました。
また日本人に人気のオーストラリアドルの長期チャートがこちら
同じくリーマンショックでは100円超から60円にまで落ちました。その後100円台にはなっていません。
不況ではキャリートレードのまき直しが起こる
金利の低い国(日本)でお金を借りて金利の高い国で運用することを円キャリートレードといいます。これが盛んにおこなわれると円安要因になります。
現在も日本の方が外国の債券を買っているのはこれに当たります。
不況になるとこの巻き戻しが行われ上記のように一気に円高になります。プロの人はこのことがわかっているので真っ先に逃げ出します。空売りも使います。素人は逃げ遅れます。外国債券が不況に強いわけではありません。特に新興国債券は。
日本円から分散したければドルMMFを使えばいい。
今特に通貨的に海外分散は必要ないというのが自分の持論ですが、そう思わない、つまり円安になる、あるいは分散しておきたい方もいらっしゃるでしょう。
そのような場合はドルMMFがおススメです。値動きはほとんどないし利率も1.8%程度とかなりあります。売買も容易で楽天証券ではMMFから株も買えます。利子というか配当は毎月再投資されます。特定口座で申告も不要です。
ドルは不況時には円の次に強い通貨です。つまり不況に強いのです。
それでも債券投資を希望すれば単品の方が動きやすい。
日本債券、先進国債券、新興国債券の各分野での投信があります。
日本債券 | 年報酬 | 実質 | 純資産 |
eMaxisSlim | 0.139 | 0.141 | 20.82 |
ニッセイ | 0.139 | 0.142 | 65.47 |
たわら | 0.14 | 0.142 | 65.97 |
先進国債券 | 年報酬 | 実質 | 純資産 |
たわら | 0.17 | 0.183 | 56.29 |
eMaxisSlim | 0.17 | 0.189 | 28.32 |
ニッセイ | 0.17 | 0.221 | 98.19 |
三井住友DC | 0.21 | 0.242 | 590.08 |
新興国債券 | 年報酬 | 実質 | 純資産 |
ifree | 0.22 | 0.384 | 22.77 |
新興国債券は慎重にというかやめといた方がいいです。リスクが半端ないです。
債券投資に賛成しない理由その2 機関投資家との競争が激しい。
競争が激しい=債券価格が高い=リスクの割に利回りが低いです。
他人からお金を預かって運用している機関投資家は「どうしても利率を得る必要」があります。「リスクが高いだの危ないだの」言ってられません。
だから危なそうな国の国債にもそれなりの価格がついているのです。利回りと価格は逆相関。
参考 各国10年債利回り 2019年1月11日ブルームバーグ
(アジア)日本0.01% オーストラリア2.31% ニュージーランド2.31% 香港 1.88% シンガポール 2.20% 韓国1.96% インド7.53%
(北米中南米)
米国 2.73% カナダ 1.98% ブラジル 9.22% メキシコ 8.61%
(欧州、中東、アフリカ)
ドイツ 0.25% 英 1.27% 仏 0.67% 伊 2.88% スペイン 1.45% オランダ0.34% ポルトガル 1.71% ギリシャ 4.28% スイス -0.22%
いかがでしょうか?ギリシャとかブラジルとかの国債を買う気になりますか?
でもこんなのも入っているかもしれません。
機関投資家はいつでも逃げ出せるように準備しながら買っているのです。債券市場は株式市場の何倍もの規模があります。
♡自分の推奨はバランス型で投資そのものを大きくするより、投資額はシンプルに株式に絞ります。残りのお金は日本円、日本債券、どうしてもという方は米ドルMMF、先進国債券で運用するのはいかがでしょうか。
投資機会が来た時に余裕資金が多い方が有利です。日本円や日本債券は即座に現金化できます。不況で株式投資の好機には海外債券は円高でマイナスになっている可能性が高いです。
下落に強いの定義がはっきりしない。
海外債券が海外株式より不況時に下落に強いというのは事実です。
しかしドルに対してどうかはハッキリしません。日本円に対しては下落でしょう。わざわざ下落の可能性が
高いものを持つ必要性はないように思います。
株式でも下落の可能性はあるじゃあないの?という反論もあるが
特に米株インデックスは長期では上昇してきたという歴史がありこれからも上昇が見込まれるので一時的なマイナスには目をつぶろう。ということです。しかし債券はそうではありません。債券利回りを当てにしたものだからです。さらに各国の通貨当局の影響をもろに受けます。
長期的に上昇が期待できず、先行きがはっきりしないものは持つ必要がないというのが自分の考えです。個人的にはですが。
債券が有利な時には単独で買えばいいです。危ない時も単独で逃げられますから。セットになっているとすべて売る選択肢しかありません。以上です。
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